泡盛のむなら知っておきたい!焼酎と泡盛の違い

泡盛のむなら知っておきたい!焼酎と泡盛の違い

2019年9月18日 0 By ぴょん吉

泡盛と焼酎はジャンルは同じ蒸留酒と分類とされますが、焼酎と泡盛では原料・麹菌・製造方法に明確な違いがあります。
今回は誰でもわかるようポイントを5つに分け、その明確な違いについてご紹介します。

焼酎と泡盛の大きな5つの違い

詳しくは後述していきますが、焼酎と泡盛の違いを大きく分けると以下のようになります。

泡盛焼酎
原料タイ米芋,麦,米など
麹菌黒麹白麹
蒸留方法常圧蒸留減圧蒸留
蒸留器単式蒸留器連続式蒸留機
麹の仕込み方全麹仕込み二次仕込み

その1.原料の違い

ほとんどの泡盛が原料にタイ米が使われているのが主流ですが、焼酎は米・麦・芋などが主流になります。

泡盛焼酎
原料タイ米(輸入米)米,麦,芋など

また同じ”米”を使用した米焼酎との違いは、泡盛がタイ米(輸入米)なのに対して米焼酎は国産米であることなども挙げられます。

その2.麹菌の違い

泡盛と焼酎は同じジャンルとして扱われますが泡盛と焼酎を分ける違いの一つに麹菌の違いがあります。

泡盛焼酎
麹菌黒麹菌白麹菌
麹による風味の違い独特な風味やコクと旨味が特徴万人受けしやすいマイルドな風味が特徴

泡盛は伝統的に黒麹菌が使用されていますが、伝統的に黒麹菌が利用されるのには以下の理由があります。

・沖縄の温暖な気候
米麹菌や白麹菌では雑菌が繁殖してしまう

・雑菌の繁殖を抑える黒麹
クエン酸をよく作ることで発酵段階のもろみの中での雑菌の繁殖を抑えられる

また焼酎の中でも黒麹を利用した焼酎(黒霧島や黒伊佐錦など)があり、黒麹を使用した焼酎と泡盛の差は原材料や製造方法にあります。

その3.蒸留方法の違い

泡盛と焼酎は原料だけではなく蒸留段階などの工程にも以下のような違いがあります。

泡盛焼酎
蒸留方法常圧蒸留減圧蒸留
説明蒸留器内の圧力を下げずそのままの気圧で行う蒸留器の中の圧力を下げ沸点温度を下げて蒸留する方法
メリット原料由来の成分を多く抽出できる雑味や嫌な匂いなどを抑えることができる
風味の特徴原料ならではの個性的なものが多いやさしい香り・酒質になるため口当たりが軽やか

常圧蒸留は減圧蒸留と比べ沸点が高いため非効率的ではありますが、常圧蒸留は原料由来の成分や香りを多く残し個性的な味を生み出します。
この方法は泡盛だけでなく芋焼酎やウイスキーなどにも採用されています。

また現在でも泡盛の多くは常圧蒸留で製造されていますが近代ではどちらの特性も活かした「減圧・常圧ブレンド」などのバリエーションも増えており、蔵ごとで配合が変わるため自身好みのブレンド酒を探す楽しさもあります。

その4.蒸留器の違い

泡盛と焼酎の違いの中には蒸留方法だけでなく蒸留器にも以下のような大きな違いがあります。

泡盛焼酎
蒸留器単式蒸留器
(昔ながらの蒸留器)
連続式蒸留機
(近代的な蒸留機)
特徴適度なアルコール度数と風味のバランスが取れる単式に比べ原料の風味が残らないため独特の匂いが無い
度数アルコール度数が高いアルコール度数が低い
仕組み「もろみを熱し冷却する」という一連の流れを適度な回数繰り返す1回の投入で蒸留機内で何度も蒸留できることが可能
(中に単式蒸留器が
何個もあるイメージ)

蒸留を繰り返すと味は薄くなりますが、主に泡盛の製造工程で使用される単式蒸留器では適度な蒸留の回数で行い、アルコール度数と原料の風味のバランスを取ります。
アルコール度数が高くなり過ぎたお酒は水で薄めて調整し、後に貯蔵や熟成されて市場にまわります。そのため蒸留器としてはアナログです。

一方焼酎などで使用される連続式蒸留機では連続的にもろみを投入でき、蒸留機の中で何度も蒸留が行われているので、一回蒸留機を動かすだけで90度前後とアルコール度数がかなり高いお酒をつくることができます。

単式蒸留器と同様に水で薄めてから市場に回りますが、連続式蒸留機で一度アルコール度数が90度前後になるまで蒸留されたお酒はほとんど原料の風味が残らなくなるという特徴もあります。

その5.麹仕込みの違い

現在では技術の発展により明確な違いと断言はできませんが、焼酎の多くは二次仕込み・泡盛の多くは全麹仕込みという方法で製造されています。

泡盛焼酎
方法全麹仕込み二次仕込み
説明一次仕込みの時点で全量の麹を仕込む方法2段階に分けて行う方法
1.麹に水と酵母を加えて発酵
2.酵母増やし、酒母に主原料を加える。

泡盛に全麹仕込みが用いられる理由は以下の2つがあります。

①泡盛の原料であるタイ米はクエン酸は多く生成する

②クエン酸は雑菌の増殖を抑える

つまり、一次仕込みの段階で全量仕込むことで発酵と同時に麹の雑菌増殖を抑制することができるため、雑菌の増殖しやすい沖縄の温暖な気候に適した方法と言えます。

またその他にも、二次仕込みで水や他の原料を加えるとクエン酸が薄まるため泡盛の製造は全麹仕込みが多いとされています。

最近では技術の発展により現代では室温や湿度が調整でき、泡盛でもシークヮーサーなどのフレーバーが楽しめるようになりました。

まとめ

まとめると焼酎と泡盛の大きな違いは原料やそれぞれの工程の違いで決まります。
製造工程にも差がありましたが現在では様々なブレンド酒が出ており、今後は製造工程での差別化は難しくなるかもしれません。
それぞれの良いところを理解し用途や気分などにあわせた飲み方をして飲酒ライフを充実させたいですね。

ぴょん吉

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